NEWS
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news-051
強行2年目の現場の現在(4つの懸念事項)
①クレーンがフェンスを越えて稼働しています。
クレーンの台座がフェンスを越えていることは、以前に指摘して対処するように伝えていましたが、三角コーンを置く程度でクレーン自体が引っ込むことはありませんでした。それだけならまだしも、先日はじめてクレーンが稼働しているところを見てさらにびっくりしました。
トラックから資材を積み上げるために、クレーンがフェンスを越えて作業をしていたのです。
そもそも工事車両が歩道にはみ出していること自体が危険だということは当初から指摘していましたが、その荷台から資材を積み上げるにはクレーンもまたフェンスを超えなければならないわけです。歩道が車両で塞がれる危険性に加えて、フェンスを越えた場所でクレーンが鉄骨を吊り上げることになるとは、さすがにこちらも想像していませんでした。事業者側は当然分かっていたはずですが、あえて説明はせず隠していたことになります。
しかもその時、ちょうどすぐ真向かいで幼稚園の送迎バスが子どもたちを降車させていました。ここが毎日の乗降場所なのでしょう。もしも停車中に突風や操作ミスでクレーンが少しでも道路側に振れてしまったらと思うと、ゾッとしました。
すぐに現場詰所に電話しましたが、常駐しているはずの責任者(厳守事項 第10条)は不在。その後バタバタしてしまい、連絡が取れないままになっています(後日、再度連絡します)。
フェンス沿いに立って上を見上げると、なんの保護対策もない状態でクレーンが頭上を行き来している。鉄骨が7階(約21m)に吊り上げられるまで、この場でゆらゆらとぶら下がっている状態。見るとそのほんの3〜4mのところで、幼稚園の送迎バスが保護者のお迎えを待って停車していた。もしも突風でも吹いて、ぶら下がっている鉄骨がほんの少しでも道路側に振れてしまったら、大惨事になるかもしれない
②騒音が近所中に響き渡ってます。
今週から8階の工事が始まりました。今まで杭工事でも打設工事でも僕の家まで音が届くことはなかったのですが、今日は初めて音が響いてきました。
驚いて現場に行ってみると、瞬間的に80dbを超えることはあってもおおむね60~70db台で、音はそれほど大きくはない。警備員に訊いても「だいたいいつもこんな程度。特にうるさくはない」とのこと。8階を超えて周囲に遮るものがなくなったため、騒音がストレートに響き渡っているのだと分かりました。
しかし、これは、うるさい…!!
今までこの騒音を一手に受けとめてくれていた隣接の皆さんの心労はいかばかりかと思います。
これもすぐ詰所に電話しましたが、またしても不在。午後2時過ぎから5時過ぎまで、何度電話しても繋がりません。これは明らかに③厳守事項 第10条違反です。フォーエバー・サンクスのK氏もなかなか連絡がとれず、しかたなくショートメールで事情を説明、改善するよう伝えました。
K氏「申し伝えます(金太郎飴)」
ちなみに、詰所にいるべき所長は現場を巡回中だったとか。「近くにいたんだからいいじゃないか」ということなんでしょうが、連絡が取れなければ意味はありません。
周囲の建物の間からニョッキリ頭を出した野村プラウド。遮るものがなくなったため、作業による騒音が今まで届かなかった場所にまで届くようになった。耳障りな金属音はあちこちに反響して、騒音計の数値以上にうるさく感じる
ついでに、④野村との協議の件が5ヵ月以上滞っていることも伝えましたが、そのメッセージは現時点でまだ既読になっていません(これもスルーするつもりか…?)。工事強行から2年目を向かえて、懸念、疑念、改善を要求したい事項がどんどんと増えていきます。とにかく、このままなし崩しに工事を続行させるわけにはいきません。再度の協議をくり返し要求していきます。
2025.12/9
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news-050
「ばけばけ」の町、まつえ崩壊の危機!
今こそセツとヘルンの嘆きの声を聴け!
NHK連続朝ドラ「ばけばけ」が好調のようです。その人気を受けて、松江を始め全国の小泉八雲(ラフカディオ・ヘルン)ゆかりの地が今、観光客で溢れているそうです。しかしその裏側で、ヘルンさんたちが最も愛した町・松江の歴史的町並みが、高層マンションの連立によって崩壊の危機を迎えています。
中でも国宝・松江城に最も近い松江ザタワーの工事はすでに10階に達し、松江市民が許容できるレッドラインを超えました。金満主義の事業者はもとより、そもそも景観審議会もろくに開かず、その建設を了としてしまった行政の不作為の罪も問われる事態となっています。2年以上にわたってマンション建設に抗議してきた市民グループ「まつえ/風景会議」は、
「適法ならばすべて許されるわけではない。法律で定められていなくとも、松江城の景観は市民の努力により守られてきた無意識の規範であり、貴重な歴史的財産である。」
として、地域共有の「財産」を守るべく、業者3社を相手どって建設中止を求める訴訟を起こしました。
地域がその歴史の積み重ねによって守り育んできた「景観は誰のもの」か。お金と力を持った者が独占していいものであるはずがない、まして、それを破壊し勝手に造り変えていいはずがない。その、ごく当たり前のことが法律で明確に定められていない。事業者の利益を優先するあまり、地元住民の被る損害やかけがえのない町のアイデンティティを軽視してきた現状に、一石を投じる重要な訴訟です。地域や子どもたちの未来を守るためにも、勝たなければなりません。

松江の景観の昔と今。お城を囲む堀川越しに城下町を眺めるおトキたち(「ばけばけ」より1場面)。それよりお城に近い場所に、お城を超える高さのタワマンが建設中。松江の人たちが長年愛し守ってきたこの「景観」は、いったい誰のもの?!
テレビの中の物語に共感し感動しながら、現実の物語から目をそらしてしまっては本末転倒です。なぜこの土地でこの物語が生まれたのか、その背景を知ってこそ、今を知り、次の物語へと語り継いでいくことができます。市井の人々の物語を愛おしく思うなら、歴史や記憶の流れを断ち切ってしまう強引な再開発事業を、今こそ止めなければなりません。
セツ(おトキ)とヘルン(ヘブン)の物語を楽しんだら、ぜひ松江を訪れてほしい。おトキたちのようにお城を見上げ、折々に心を寄せてきた古の風景を噛みしめてほしい。誰にもそんな懐かしい心の原風景がある(あった)ことを思い出させてくれるはずです。
そして振り返って建設中のタワマンを見てほしい。これが、その心を貪って巨大化する現代の”ばけもの”です。松江城との近さと高さと、その高慢さに驚くはずです。
そこから少し歩いて裏手の「天使の広場」を訪れてほしい。お城とタワマンの対比を一望できます。町の崩壊を嘆く天使たちや、ヘルン先生、セツ、耳なし芳一と出会うことができます。彼らの悲しみの声を聴いてください。そして一緒に声を上げてください。一人ひとりの声が力になります。


タワマン建設現場裏の「天使の広場」に新しく設置されたひろさん制作のセツ&ヘルンの高札。芳一もベベン♪と現代の松江怪談を歌い上げる。現代の"ばけもの"は夜の闇に潜むのではなく、白昼堂々、轟音と振動とともに現れる。底なしの欲望をむき出しにして。

まつえ/風景会議発行の「令和の現代の松江怪談」Part1とPart2(絵と文:斧堂郎=ひろ)。松江が置かれた今の状況を辛辣なユーモアで風刺する漫画集。※画像をクリックで全編PDFをダウンロード
※まつえ/風景会議HP →https://matsue-fukei.jp
2025.11/25
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news-049
1116緊急スタンディング
「プラウド看板をノーモア・プラウドに描き替える大作戦」大成功!
11月16日(日)
工事強行から1年、対話を拒否し続ける野村不動産とフォーエバー・サンクスに対して抗議のスタンディング・デモを決行しました。
事ここに至って、何を訴えるのか、何をテーマに喋るのか、どんなデモにするのか……工事から半年過ぎた頃からこの1年の節目に向けてずっと考えていました。
だけど僕は喋るのは得意じゃないし、まして建築や業界のことなど専門的なことは全く分からない。だったら小難しいことはヌキにして、とにかく自分自身が面白がってやろう、野村や野村の作るマンションやフォーエバー・サンクスをとことん茶化してやろう、彼らのやっていることのおかしさや愚かさをめいっぱい皮肉ってやろう、そう考えてこの企画を立てました。
「抗議活動を自分のアート作品、創作活動のひとつと捉えて、反骨と怒りをユーモアに変えて笑い飛ばす」
これは実は、まつえ/風景会議のアーティスト・安食ひろさんの活動に感銘を受けて、その手法に倣ったものです。なにしろ眉間にシワを寄せた悲壮感漂うような訴えにはしたくない。みんなも一緒になって楽しめるようなアピールでなければ、興味も持たれないし共感も得られないと思うからです。
というわけで、現場フェンスの「プラウド」看板を「ノーモア・プラウド」の看板に貼り替えるというパフォーマンスをメインにすることにしました。縦180cm×横260cmの巨大看板を、A3プリント用紙45枚をつなぎ合わせて完成させました。
内容は「プラウド高津」PRサイトのパロディで、侵略者”マンションモンスター”が悪趣味なギャングの親分(=プラウド)に成り上がって大得意で自画自賛しているのを、5エモンたち(=地元住民)がツッコミを入れるという画です。
そのほかB1とA1のポスターを1枚ずつ作成。ひとつは、これもひろさんに倣って高札風の手配書、もうひとつは、街をことごとく同じ景色に変えてしまう再開発を「金太郎飴」に例えて、金とカネをかけて皮肉りました。
これだけの準備でやっとの思い、コール&レスポンスは前日の布団の中で急遽作ってぶっつけ本番、スピーチに至ってはメモさえろくに用意できず、完全にグダグダでした…。
それでも、急なお知らせにも関わらずお集まりいただいた皆さんのお力添えもあり、なんとか事故なく無事にやりきることが出来ました。ご参加いただいた皆さま、通りすがりの皆さま、本当にありがとうございました。






高慢ちきな「PROUD」看板を「NO MORE PROUD(プラウドいらない)」に描き替え(貼り替え)た。彼らが私たちの町に敬意を払わず、誇りまでをも踏みにじるなら、こちらも同じことをやり返すまでのこと。「倍返し」だ!
ちなみに、これら大型看板やポスターは、スタンディング終了後もこのまま午後5時まで掲出しました。足をとめてしげしげと見てくれる人たちもいて、それなりに伝わるものはあったのではないかと思っています。できればこのまま貼り出しておきたい気持ちでしたが、そこはひとまず我慢して、また次の機会に再度ゲリラ的に(何度でも)やりたいと思います。その際にはまたご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
楽しくやりましょう!
※スタンディングの様子を切り取ったショート動画をYoutubeチャンネルに順次アップしています。どうぞご覧ください。
→www.youtube.com/@5エモン

2025.11/23
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news-048
1年分の怒りをぶつける
緊急スタンディングを実施します!
工事の強行から今月で2年目に突入しました。
説明会での発言を違えて、協議要請を何度も無視し続ける野村不動産とフォーエバー・サンクスに対して、抗議のスタンディング・デモを実施します。
今回は諸事情により、あえて参加者を募らずゲリラ的に実施します。もちろん、飛び入りの参加・離脱は自由。野村にどうしてもひとこと言いたい!一緒に声を上げたい!という方は大歓迎です。また、野次、声援、拍手、投げ銭もよろこびます。
11月16日(日)13:00〜14:00
「プラウド高津」工事現場 出入口横プラウド看板前
川崎市高津区二子2-17-3
1年分のたまりにたまった怒りをぶつけましょう!
「野村出てこい!!!」
「ひっこめフォーエバー・サンクス!!!」
※高津警察署の許可証受理済み。
※安全第一・通行者最優先・近隣に迷惑がかからないよう平和的に実施します。ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

2025.11/14
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news-047
協議の要請から3ヵ月経過。
フォーエバーからは2ヵ月連絡なし!
野村不動産に対して協議の申し入れをして3ヵ月、フォーエバー・サンクスK氏と電話会談して2ヵ月が経過して、いまだになんの進展もありません。
そしてもうすぐ工事の強行着工から丸1年になります。
ここまで野村不動産はフォーエバー・サンクスという番犬を盾に、私たちの追及から逃げ回り続けています。卑怯極まりない態度です。
彼らがこのような不誠実な対応を続ける限り、私たちは黙りません。
「公開質問状」にコメントを追加しました→〈追記3〉
2025.10/04
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news-046
「(仮称)高津計画」あらため「プラウド高津」が
一般に情報公開を開始。
「(仮称)高津計画」は「プラウド高津」と名称を変更し、WEB上で情報公開を始めました。
→PROUD WEB:プラウド高津
これまでいくら求めても開示しようとしなかったイメージパース(作っていないと言い張った←そんなわけない)や間取り図など詳細な情報を見ることができます。
注目のキャッチフレーズは、
「TIME & SPACE LUXURY 駅徒歩4分に広さと開放の邸宅を。」
コピーは
時間と空間の進化〜TIME & SPACE LUXURY
都市と水辺の潤いに抱かれた二子玉川を間近に望む街、高津。
この街の駅徒歩4分に位置しながらも
穏やかな環境が広がるエリアに「プラウド高津」は誕生します。
描いたのは、時間と空間の価値を追求した暮らし。
高い空のある開放的な住空間の中で、
華やぎと静寂を楽しむ日常が、ここからはじまります。
一番のウリはやはり都心へのアクセスや周辺環境など立地の良さ。
確かに高津は良いまちです。



PROUD WEBより。大山街道の「街なみ作法」に則ったと野村が胸を張る、これが問題の外観予想図。他のプラウドとの違いがよく分かりません。そもそも15階建ての高層マンションは作法集では想定していないので「則った」はミスリード。この「見晴らしの良さ」も住民が自主協定で高さ制限を守り続けてきたから。その他、嘘ではないけど正しくない誇大表現の多いWEBです。
だけど、言っておくけど、「穏やかな環境」も「高い空」も「華やぎと静寂の日常」も、それらを守り育んできたのは、他でもない地元住民たちだということを忘れないでほしい。
野村不動産はそれら地域が大切にしてきたものを侵し、奪って、近隣の不利益も顧みずこの高層高慢マンションを強行的に建設しているのだということです。
それともうひとつ言っておくと、WEBには一切書かれていないけれど、徒歩4分の最寄り駅(高津駅)って「各駅停車駅」で急行列車は停まりません。駅までの道もフラットアプローチと言えばなんだか聞こえは良いけど、車1台がやっとの狭い一方通行の路地です。
大山街道も国道246みたいなイメージかもしれないけど、歩道もない片側1車線道路で、通勤通学時間帯はめちゃくちゃ混雑するし、言うほどラグジュアリーじゃないですよ。そもそも庶民のまちですから。
最後に、そうやって野村ブランドの規定路線に無理矢理はめ込もうとするのは、地域に対する侮辱だということも、はっきりと言っておきます。
2025.8/15
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news-045
真夏の夜に「令和の現代の松江怪談」を
お盆なので、怪談をひとつご紹介します。
とは言っても、小泉八雲の記したような古典「怪談」ではなく、現代の「怪談」です。
松江のアーティスト・安食ひろ氏による「令和の現代の松江怪談」は、歴史と「ばけばけ※」の町・松江で、まさに今起きている奇々怪々な出来事を、ブラックなユーモアでぶった斬る風刺漫画集です。
世の中で何が恐ろしくて奇怪かと言えば、人の心に他なりません。 私利私欲にまみれた利権者たちの心の闇が生み出す魑魅魍魎たち…。 無関心に目をそらしていたら、知らないうちに社会まるごとその闇に飲み込まれてしまいかねません。
知らねば喰われ、知れば知るほど醜くも滑稽、それが現代の、令和の時代の「怪談」です。 背筋も凍るこの怪談集で、しばし生き苦しい世の中を笑い飛ばしてください。
全編はこちら(PDF)→「現代の令和の松江怪談」
好評につき第2集制作中!お問合せは→「まつえ/風景会議」
※小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と妻セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説→「ばけばけ」公式HP
2025.8/15
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news-044
野村不動産、再度の協議申し入れを理由なく拒否。
7月25日、先日申し入れした再協議に関して、フォーエバーサンクス葛西氏を通じて、野村不動産白石次長からの回答がありました。
結論から言うと、
「協議には応じない」
その理由は、
「これまでに話し合いはしたし回答もした」
という、いつもどおりのコピペ回答=金太郎飴=馬鹿のひとつ覚えでした。
よって今回の質問通告書に対しても「回答の必要なし」という認識とのこと。
代わりにフォーエバーサンクスが(野村抜きで)話し合いに応じてもよいという、意味不明な提案もされましたが、当然ながらこれは却下。
「新しい疑問・質問もあるので『すでに回答した』という屁理屈は通らない。正当な理由なしに協議を拒否するのは受け入れられない」と野村に伝えるよう突き返しました。
再度、連絡するとのことでしたが、しばらくはこうした不毛なやり取りが続くでしょう。ただの時間稼ぎかもしれません。
それにしても、ただの一小市民がちょっと話したいと言っているだけなのに、天下の大野村不動産がなんでそうコソコソと逃げ回る必要があるんでしょう? ともかく、野村がこうした追及をなぜかとても嫌がっていることだけは間違いないので、しつこく続けていく意味はあると確信しました。
「野村出てこい!!!」
詳細はこちら→「(仮)高津計画 再協議へ向けての質問事前通告書」
関連ページはこちら→「野村不動産へ公開質問状」、「住民説明会質疑応答」
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news-043
野村不動産に再度の協議を要求、
「質問の事前通告書」を提出しました。
フォーエバーサンクスを通じて、野村不動産に再度の協議を申し入れました。
まずは書面で「質問の事前通告書」を送付することで同意し、7月6日付で提出しました。
これはあくまでも協議を前提としたものであり、書面のやり取りで終わらせるつもりはありません。野村が要求を受け入れて再度の協議に応じるかどうか、返答を待ちたいと思います。
詳細はこちら→「(仮)高津計画 再協議へ向けての質問事前通告書」
同時に「公開質問状」関連ページを加筆修正しました→「野村不動産へ公開質問状」、「住民説明会質疑応答」
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news-042
松江で天使と握手!
国宝松江城拝観と「まつえ/風景会議」寺本氏らとの面談


ひろ画伯の描いた天使たちにやっと逢えた! 天使たちの視線の先には、巨大クレーンが素知らぬ顔で立ちはだかる…「それでも私たちはあきらめない」。Give us back the sky!
岡山の実家へ帰省した機会に松江まで足を伸ばし、松江城の拝観と現場の視察、そして「まつえ/風景会議」寺本氏らと面談してきました。
「まつえ/風景会議」のみなさんとは、以前から情報交換などエールを送り合う形で交流を重ねてきました。運動の中心人物・安食ひろさんとは、ちょっとした行き違いでお目にかかることができなかったのが残念でしたが、反対運動の最前線「天使の広場」でひろ画伯の天使たちとついに握手を交わすことが出来ました。こうして実際に現地を歩き、目で見て、肌で感じ、直接お話しを伺うことができて、とても価値のある旅となりました。





国宝松江城とその城下の町並みは本当に美しい。「ホンモノ」が醸す歴史の重みと存在感に圧倒される。この飾らない質素な城下町の風情と、虚飾を尽くしたタワーマンションは、まるで相容れない水と油のようなもの
僕にとって馴染みのある岡山城や広島城の天守は、いずれも戦後に再建された鉄筋コンクリート造りです。外見はお城でも、中に入ると普通の近代建築とあまり変わらずちょっと興ざめですが、松江城は昔のままの木造の天守が今も残っています。これこそが国宝たる由縁、歴史の重みと醸し出す存在感・説得力は圧倒的です。無用なきらびやかさや装飾を排除した質実剛健な佇まいは、凜とした美しさを湛えています。
城下町の風情もまた同様で、かつてラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が愛したこの町の最大の魅力は、その飾らない実直さや素朴な美意識にあったのだろうと想像させます。
そうしたお城や城下町が伝えてきた松江のアイデンティティーとは真逆の、虚栄心の塊のようなタワーマンションが、あろうことかお城の目の前に、その高さを超えて建設されようとしています。これが問題の「殿町タワーマンション(松江ザ・タワー)」です。
松江城天守から見ると、写真のような距離感でほとんど目の前です。完成すれば50mを超える超高層マンションが、遠くに見えている山々を視界から完全に遮ることになります。
もちろん、松江市民がこの暴挙に黙っているはずもなく、全国のお城ファンや歴史愛好家の怒りをも買うだろうことは勿論、世界遺産登録に向けた長年の努力が、これによって水泡に帰す可能性さえ指摘されています。松江市にとって大きな損失であるばかりか、すべての日本国民共有の歴史的財産が損なわれてしまう大変な愚行だと言えます。



国宝松江城 天守からの眺め。360度の美しいパノラマの中に、ひときわ高い工事クレーンが…これが問題の殿町タワマン「松江ザ・タワー」。完成すれば50m超のモンスターが美しい城下の景観を遮り、松江城を見下ろすことになる
「まつえ/風景会議」は、市が安易に建設許可を出してしまったことに対して、訴訟を起こす準備を進めています。また、高さ制限に明確な基準の制定と法的な拘束力を持たせるべく働きかけるとともに、大阪の事業者に対しても定期的に直訴を続けています。今は松江城天守の国宝指定10周年を記念した特別イベント「お城EXPO 2025 in 松江」に向けて、来場者へのPR作戦を練っているところです(6/21時点)。
「工事を止められないとしても、黙っているわけにはいかない。私らの代が(タワマン建設を)許したのだと末代まで言われてしまう」(寺本氏)
これが歴史の重みです。
今だけ自分だけのことではない、これまで先人が連綿と受け継いできた伝統と、この先も続いていく長い歴史の中の、そのひとつの岐路に自分たちはいま立っているのだという自覚と自負、その覚悟。とても感銘を受けました。
一度失われたものは二度と取り戻せない。
一度タガが外れてしまえば、止めどなく崩れてしまう。
たとえ非力であろうと抗い続けるしかありません。
私たちはこれからも共通の問題意識を持って「まつえ/風景会議」と連帯し、共に闘っていきます。
2025.6/21@松江
*「まつえ/風景会議」では引き続き署名と募金を募っています。
Change.org署名サイト:松江城前に天守と同じ高さの19階建てマンションに反対します。
募金振込先:山陰合同銀行北支店(002)(普)4534769 まつえ/風景会議
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news-041
またしても野村不動産の高慢!
岡山駅前再開発と脅かされる後楽園「借景」


岡山駅前は工事パネルに囲まれていた。桃太郎も隅っこに追いやられ、寂しそうに変わりゆく町を眺めている…
数年ぶりに岡山に帰省したら、駅前が工事用パネルに囲まれていました。2022年に市街地複合再開発が着工し、2026年に竣工予定だそうです。路面電車を駅前まで乗り入れて、乗換のアクセスをスムーズにしようという整備目的そのものには特に異論はありません。
が、それとは別に、複合再開発の一環として駅前商店街入口に「プラウドタワー岡山」なる超高層複合ビルが建設中なのです。「PROUD(高慢)」といえば、そう、またしてもあの野村不動産です。キャッチフレーズは「岡山が誇れるタワーへ」。

またしても野村不動産が高慢を発動し、駅前商店街横に31階建ての複合施設「プラウドタワー岡山」を建設中。頓挫した中野サンプラザの計画とそっくり同じだが、大丈夫なのか???
岡山駅前商店街は、駅を出てすぐ目の前にあるにも関わらず、もうかなり前から時代に取り残され、寂れていく一方でした。10年前に巨大ショッピングモール「イオンモール岡山」がオープンしてからは、人の流れは駅前を素通りして一気に南側へ。街全体としてはこれで多少の活気を取り戻したとはいえ、元来、岡山の中心だった表町商店街や駅前商店街など特色ある繁華街は、以前にも増して閑散としています。
そこへまたこの「プラウドタワー」です。住居(タワマン)・商業施設・ホテルが一体になった複合施設だそうで、これによって駅前の「都市機能や回遊性・賑わい、交流機能を創出」させ「都心拠点の創造」を目指すとか…
ん?
ちょっと待って。
それって白紙撤回された中野サンプラザ再開発計画と似てない?
ていうか、ほぼ同じでしょ。
発想があまりに貧困で安易で金太郎飴で(桃太郎さんの国なのに)、こんなバカ高いタワーを駅前に一本建てたところで、言うほど街全体が潤うとは思えない。この計画が本当に岡山の地域性に合っているのかどうかすら、はなはだ疑問です。

「借景」を脅かす超高層マンション建設。伝統的に守ってきたかけがえのない財産をいとも簡単に手放してしまう、それのどこが「岡山の誇り」なんでしょう?
岡山が誇る日本三名園のひとつ「岡山後楽園」は造園技法として「借景」という考え方を取り入れています。園外にある実際の遠景を庭の要素として取り込んで、庭の広大さと奥行きを演出するというものです。つまり園外の景色も園の景色の一部なのです。そのため、岡山では早くから風致地区指定や景観条例などで周辺地域の景観も厳しく規制し、街ぐるみで美しい園の風景を守ってきたのです。
ところが、近年ではその「借景」に本来見えてはならないはずの、高層マンションや工事クレーンが視界に入ってくるようになりました。建設中の「プラウドタワー」が「借景」を脅かすことになるのかどうかは分かりません。方角としては、写真に見えている「ファミールタワープラザ岡山(29階建)」の並び約900m左(南)方向に建つはずなので、ちょうど手前の森に隠れるかもしれません。けれど、「岡山の誇り」を謳う再開発なのであれば、この後楽園の「借景」圏内に、敢えて超高層タワーを建てようなどという本末転倒な発想にはそもそもならないはずです。この面映ゆいキャッチフレーズ自体が、はじめから大嘘なんだろうと思わざるを得ません。
守るべき「誇り」とはいったい何なのか、
創出したい「賑わい」とは誰のためなのか、
普遍的な「価値観」とは、「豊かさ」とは、「美意識」とは、
街の「アイデンティティー」とは…?
大手デベロッパーや行政には、原点に立ち返って、タワマン・バブルに浮かれきったアタマを冷やして、もう一度よく考え直してもらいたいものです。
2025.6/20@岡山
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news-040
東京新聞川崎版に記事が掲載されました。
東京新聞川崎版 2025年5月28日
「PROUD(高慢)」の看板を背景にしたアングルが象徴的にして秀逸(笑)。
強行着工から半年ということで、東京新聞の佐藤記者が工事と活動の現状を取材してくださいました。
工事が始まってから表立った動きはないし、近隣の反応は薄いし、こんなので記事になるんですか?と思ったけれど、立派にまとめていただきました。
実際、僕の中では何も終わっていないし、問題意識も最初から変わっていないし、言いたいことはたくさんあるし、やるべきことも山ほどあります。
このような住民を足蹴にするような強行工事が行われる限り、声を上げ続けます。ともかく「ダメなものはダメ」それだけです。
東京新聞WEBにも同記事が掲載されています。下記リンクよりぜひご一読ください。
大山街道・高層マンション着工から半年 「建設阻止」ネットで発信
(東京新聞WEB 5月28日)
※全文を読むには会員登録(無料)が必要です。
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news-039
アンケートは終了しました。
5月25日をもってアンケートの募集は終了いたしました。
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。集計結果は後日、当サイトにて発表いたします。
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news-038
再アンケート調査を実施。
回答にご協力ください!
強行工事が始まって半年、ここまでの現状を把握し、近隣の皆さんの生の声を集約すべく、再アンケート調査を実施します。
これまでに皆さんが感じたこと、訴えたいこと、また、こんなことが迷惑だった、これは許せない、こんなトラブルがあったなどの体験談、ご意見やアドバイスなどもあれば同時にお寄せください。これらの情報を集約して、今後の活動の指針にさせていただきます。地域以外の方の参加も大歓迎。忌憚のないご意見をお待ちしています。
ご協力よろしくお願いいたします!
アンケートはこちら
●アンケート締切/5月25日(日)23:59まで -
news-037
強行着工から半年。
工事を止める可能性はゼロではない。
昨年11月に工事を強行してから、今月で半年になります。この間、近隣では激しい騒音、振動、埃、異臭、交通渋滞などに悩まされ続けてきたことと思います。会としても都度都度に苦情・要望を申し入れてきましたが、野村側はノラリクラリと逃げ続けています。ここまで、私たちとしては出来うる手立てはつくしてきたつもりですが、事ここに至っては、もはや工事を止めるための法的に有効な手段はないと言わざるを得ません。反対運動を思うように盛り上げることが出来ず、民意を結集しきれなかったことは、私たちの力不足であり、忸怩たる思いでいます。
しかし、私たちはまだあきらめたわけではありません。
野村不動産が無視している工事の問題点や意見・要求は、これからも引き続き訴え続けていきます(公開質問状/news029: 工事協定/news-034:工事協定・追加を参照)。
工事の進捗状況を定期的に監視し、記録を録り続けていきます。
そして、こうした反対の意思表示を視覚的に「見える化」していきます。
野村が嫌がることを、しつこくしつこくやり続けていきます。
それがたとえ今すぐに功を奏する事がないとしても、反対運動を続けて行くこと、その事実を積み重ねて行くことこそが、将来のための布石になるからです。
2024年11月。外構工事
2024年12月。山留め工事、杭工事
2025年1月。杭工事
2025年2月。杭工事
2025年3月。掘削、外構、斫り工事
2025年4月。基礎工事、配筋工事
もしもこの先、私たちが指摘した通りの事故や問題が起きてしまったとき、私たちが訴え続けてきたという事実、それを野村不動産が無視し続けてきたという事実の積み重ねが、彼らを叩く武器(証拠)になり得るのです。「要望がなかった」「想定外だった」「ちゃんとやっていた」という言い逃れを封じることができるのです。100回訴えて100回無視されたら、その回数だけ野村の悪質さが上積みされるのです。無駄な努力ではありません。
もしもこのまま、何事もなく竣工したとしても、反対運動が根強く続く抗議の的のマンションに住みたいと思う人がどれだけいるでしょうか。不利益を押しつけられ、将来にわたって多大な迷惑を被り続ける地域の人たちと、新規マンション入居者の間で、果たして良好な人間関係が築けると思うでしょうか。普通に考えて「居心地が悪い」と感じるのが、当たり前の感情でしょう。そうやってマンション購入を断念する人が増えれば、野村は赤字を出すことになります。そうでなくても採算ギリギリの計画です(資材や人件費の高騰ですでに赤字かも?)。反対運動を「見える化」することは、マンションを「売れない化」することに繋がり、これは利益第一主義の野村不動産が最も嫌がることでしょう。
このような地域住民無視の開発計画は、全国のあちらこちらで反発や問題を引き起こし、社会問題化しつつあります。大山ハッピーロードや門前仲町、高島平、それに松江城下…数え上げればキリがありません。中には中野サンプラザ再開発のように、採算が取れずに頓挫する計画さえ出てきました。
タワマン・高層マンションそのものへの批判や疑問も出始めています。投資目的のマンション転がし、それによる価格の高騰と供給バランスの崩れ、修繕費の高騰とそこにつけ込んだ詐欺まがいの搾取、災害時の被害拡大と孤立化の懸念、将来の廃墟化、コミュニティ破壊、環境汚染…。様々な問題が噴出、タワマン・高層マンション事業はもはやオワコン、既に限界を迎えていると言っていいでしょう。
このように業界を取り巻く状況も大きく変化し、計画が始まった1年前とは明らかに潮目が変わってきたと思われます。野村が「これでは採算が合わない」「旗色が悪い」と判断すれば、工事が中止になる可能性もまだまだゼロではないということです。わずかな望みかもしれないけれど、私たちがあきらめて黙ってしまえば、そこで終わりです。
時代遅れの、時代に逆行する、誰も望まない強引なマンション開発に、引き続きNOをつきつけて行きます。これからもご協力・ご賛同のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2025年5月1日
飯島金物店跡地を考える会 代表:片岡
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news-036
謎のアーティスト“松江のバンクシー”
ひろ氏とは何者か?!
松江殿町高層マンション問題に対抗する「まつえ/風景会議」のHPをご覧になった方なら、一度は目にしたことがあると思います。白いビルの壁面に可愛らしい天使たちが飛び交う印象的な風景です。
白い壁面いっぱいに天使たちが飛び交う壁画「give.us.back.the.sky」。独特のウィットとセンスで強烈に社会を風刺する覆面作家バンクシーを彷彿させるこの作品の作者とは?
赤いハート型の風船には「give.us.back.the.sky(空を返して)」の文字。天使たちが向ける視線の先には、問題のタワマン建設現場があります。この絵に強いメッセージが込められていることは間違いありません。どうやらこの場所は、松江のタワマン反対運動の最前線らしい…漠然とそう認識しながらも、バンクシーを思わせるこの絵をいったい誰が、いつ、どんな思いで描いたのか、気になりつつもその詳細を知ることはありませんでした。
そこへ先日、まつえ/風景会議の方から「現場周囲に抗議の高札を掲げる活動を始めたので、拡散してほしい」旨のメールと画像が届き、その中に「天使たちの歎き」の高札もあったので、この壁画について詳しく訊いてみることにしました。すると絵の作者ご本人から以下のようなメールが…
ナマステ メイラ ナアメ ヒロ
わたしの 名前は ひろ です
マンション反対を アアト的にと ゆうことで
〈中略〉バンクシーdeひろ にして
give.us.back.the.sky 空を返して
で 天使にしました 一人てをつなげる天使
がいるので そこで写真を撮って
観光客に 拡散してもらえたら と
思って〈中略〉あちこちに 高札や バンクシー
があったら チョイと 粋かも なんて
思っています (原文ママ)
むむ、これは…ただ者ではないゾ…!
詳しく訊くと、「バンクシーdeひろ」こと安食ひろさんは出雲出身の芸術家で、世界各地で陶芸の個展や茶会を開催するほか、枠を超えたマルチなアート活動をされている方だそうです。
その原点は、かつて地元・平田で伐採の危機にあった榎を反対運動によって守ったことだそうで、今回の反対運動もアート制作の一部と捉えて、精力的に活動されているとのこと。
「天使の壁画」もそのひとつで、3階建ビルの壁面を好きに使ってよいという許可をもらって、この絵を描いたそうです。天使たちがマンション建設現場に向かって「空を返して」という切実なメッセージを投げかけ続けています。また、手をさしのべている天使と手をつないだ写真を撮って、共感の輪を全国に広めてほしいとの願いも込められています。
その他、まつえ/風景会議HPのトップ画やデモ用プラカードなど、関連する制作物はほぼすべてひろ氏の発案・制作によるものだそうです。まさに運動の中心人物なのでした。

「バンクシーdeひろ」こと安食ひろさん(左写真中央)は出雲出身の芸術家。HPのトップ画など松江城下のタワマン建設反対運動で中心的な役割を果たしている
そして今回、拡散の依頼があったのは「高札」です。いま市内各所に抗議のメッセージを込めた高札を立てる活動を行っていて、その内容には様々なバリエーションがあり、どれもが機知に富んでいます。そのいくつかをご紹介します。
「天使の壁」の足元にも「天使たちの歎き」と題された高札が設置されている。利己的な戦争がウクライナやパレスチナの空を奪ったように、金の力にあかして大切なものを「ひとり占め」しようとするのは「ズルイ」、私たちの「空をかえして」と訴える天使たち⇒くわしくはHPへ
落語の演目に登場する「小言幸兵衛」が市民を代表して代官様に直訴するという仕立。本来、住民に対して小言を言う幸兵衛が、逆にお上にモノ申すという逆転のユーモア。また、鴻池建設は山陰の名将・山中鹿之助の子孫であり、建設に加担するのは「郷土に対する謀反」であるとの指摘も⇒くわしくはHPへ
「雨ニモマケズ」のパロディ。雨にも負けず何十年も立ち続けるのは「丈夫な身体を持つ」コンクリートのマンションで、皆に「褒められもせず」「嫌われて」いるのに「これって変だよ」と訴える幸兵衛の孫・小言勇太郎くん⇒くわしくはHPへ
江戸から続く城下町の風景を守ろうというメッセージを「高札」で表現するというのは、たしかにとても「粋」なアイデアです。ユーモアもあり、古風な高札は城下町の風情ともマッチします。圧倒的な権力に非力な市民が対抗し続けていくには、揺るぎない反骨精神はもちろん、こうした権威を笑い飛ばす機知と「粋」の精神が欠かせないということに、あらためて気付かせてもらった気がします。
この「粋」な抗議に対して、市からは「高札の脚が50cmを超えていて条例違反だ」というあまりにも「無粋」な反応だったとか。地上60mのマンション建設を許可しておきながら、高札の高さ数cmに目くじらを立てるとは、いかにも四角四面のお役所らしい見事なオチです。小言幸兵衛、我が意を得たり。無粋な石頭どもを、怒りを込めて笑い飛ばしてやりましょう。
*「まつえ/風景会議」では引き続き署名と募金を募っています。
Change.org署名サイト:松江城前に天守と同じ高さの19階建てマンションに反対します。
募金振込先:山陰合同銀行北支店(002)(普)4534769 まつえ/風景会議
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news-035
松江の城下町に、のぼり旗栄える!
みなさんは島根県の松江城下町に高層マンションが建てられるという計画をご存じでしょうか。松江城の目の前に天守に並ぶ高さの高層マンションが建てられ、歴史的な城下町の風景が壊される…そんなとんでもない計画が強行されています。ここでもまた、企業の一時的な利益と一部の富裕層の虚栄心のために、地域が大切に守ってきたものが踏みにじられようとしているのです。当HPでも、LINKページにその計画に抗議する「まつえ/風景会議」の活動を紹介しています。建設工事はすでに始まってしまいましたが、住民有志のみなさんはまだあきらめていません。
先日の12月7日、工事に抗議するデモ行進を決行、そこで私たちが制作した「高層モンスター」ののぼり旗が掲げられました。
遠く離れた松江の空に、私たちと同じのぼり旗がはためいた。地域や事情が違っていても、事業者や行政への思いは同じ。
実は「まつえ/風景会議」事務局の方が当HPをご覧になり、こののぼり旗を注文してくださったのです。代表の方が松江城下に建てられようとしている高層マンションを「ゴジラ」に例えられていることもあって、この絵柄を選んでくださったそうです。
ある日突然、地域の暮らしと環境を圧倒的な破壊力で問答無用に踏みにじっていくモンスター…その破壊者・侵略者のイメージは、高層マンション問題や再開発問題を経験した人なら誰もが共感できるものだと思います。
ますます天下無双のように暴れ回るモンスターですが、所詮は人の欲望と虚栄と慢心が法規制の威を借りたハリボテに過ぎません。人知を超えた天変地異ならいざ知らず、人がやることなら人の手で止められます。傍若無人の乱開発の流れを終わらせるまで、私たちは共に声を上げ続けます。
「まつえ/風景会議」の署名運動にご協力ください。名もなき市井の臣の声を集め、一矢報いる所存にて候。
Change.org署名サイト:松江城前に天守と同じ高さの19階建てマンションに反対します。
まつえ/風景会議 blog「1207デモ行進をしました」

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news-034
施工業者から追加質問・要望への
回答がありました(遅っ!)
12月17日、フォーエバーサンクスを通じて施工業者・大末建設より追加質問および要望に対する回答がやっと来ました。11月7日の話し合いからかれこれ1ヵ月以上も経っています。なぜこんなに時間がかかるのか分かりませんが、よほど熟慮を重ねてくれたということなんでしょうか…???
回答は以下の通り。
[要望] [回答] 工事日を原則土曜日も休業日とすること おおむね月2回程度の休業日を設ける
進捗上、可能なら月2回以上の休業も検討(11月は4回休業した)午後5時までの作業に「コンクリート打設工事」も加える 要望通り「工事厳守事項(11月29日)第3条」に記載 生コン車の待機場所の再検討 国道246号側道にて予定

喫煙所・仮設トイレ設置場所の再検討 喫煙所:近隣より距離を取ったハウス内
トイレ:側溝通路沿い(排水を考慮した場所)

誘導員の増員を再検討 通常時は1名、車両の出入りが継続的な場合は2名 PFASが使用建材に含まれていないか、また原発汚染土が搬入土に含まれていないかを確認すること PFAS:法規制が進んでおり、原則として製造・輸入が禁止されている
原発汚染土:事前に土質調査を行い、問題ないことを確認の上、搬入
時間がかかったわりに、不十分な回答です…。
これまでのところ土曜日はほとんど休業だったし、これからも出来るだけ休業にするというので、だったら「原則土曜休業」とすればいいのにと思いますが、どうやらそれを言ってしまうと業界的に困ることになるらしいです。おとなの事情ですね(そんなことこちらには関係ありませんが)。
打設工事と生コン車の待機場所については確認しました。喫煙所も当初はトイレの隣(側溝通路沿い)だったのを少し離れた場所に変えてもらっています。トイレについても排水のことを考えれば側溝沿いのこの場所はやむを得ないのでしょう。
誘導員については、片側通行になる場合などは2名では対処しきれないだろうということでの増員要求でしたが、最大で2名ということで聞き入れてもらえていません。先日、交通量の多い夕刻に現場前を通ったら、誘導員1名ではかなりテンパっていましたから、通常時でも1名では危ない瞬間があると思います。ただでさえ狭くて危険な道です。ここは万全を期してほしいです。
そして最も問題なのは、PFASと原発汚染土に関してです。
PFASについてはやっとその危険性が認知されたばかりで、調査も規制もまだ追いついていません。今後は製造も輸入も禁止かもしれませんが、既に使われている製品にどのようなものがあって、どのような形でどのくらい世の中に出回っているのか、正確なことはよく分かっていません。「規制されたから大丈夫」では、全くなんの安心材料にもならないのです。一度汚染されてしまったら永遠に分解されることがないのがPFASです。使用する建材ひとつひとつを確認して、安全性を証明してから使っていただきたい。それが出来ないうちは工事を進めないでください。
原発汚染土に関しても同様です。土質調査をしたら、その調査内容と結果をきちんと公表してください。何度も言いますが「ちゃんとやるから大丈夫」だけでは、ぜんぜん大丈夫じゃないんです。納得できるデータとエビデンスの提示。地域の生活環境を変えうる工事を進めようとするならば、最低限、事業者が住民に対して負う責任と礼儀だと思います。
このままでは、これ以上工事を進めさせるわけには行きません。再度、話し合いの場を設け、要望を聞き入れてもらえない場合は工事の中止を要求します。
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news-033
今週の現場。12月4日


今週から「山留め工事(騒音・振動作業)」。大きなクレーンで掘削作業をしている
しばらく現場を見に行けませんでしたが、12月2日から「山留め工事」が始まっています。基礎工事をするときに周囲の地盤が崩れないよう、杭などを打って補強する工事だそうです。今は大きなクレーン車がドリルのようなものを打ち込んで杭を打つための穴を開けているようです。
この辺りは軟弱地盤のため、この作業がいい加減だと後々大変なことになってしまいます。これら一連の基礎的な工事が、これから約半年余り続きます。騒音と振動が最も懸念される工程です。しばらく見ていると騒音計は瞬間的に85dBを超えることもありますが、体感的には我慢できないほどの騒音ではありませんでした。ただ、これからもっと騒音・振動の激しい工程も控えていますし、この状況が延々半年も続くとなれば、精神的なストレスはどうなのでしょう…?
もしも精神的・肉体的に受容範囲を超えると感じたら、すぐに下記へ連絡してください。その他、工事に関して気になることや困ったこと、ご要望などがあれば、跡地を考える会事務局の方にご相談ください。我慢せず、どんどん声を上げてください。
[連絡先]大末建設:工事担当・佐藤☎03-5634-9012(夜間・休日/警備会社☎03-5634-9105)
[事業全般]フォーエバーサンクス:担当・葛西☎03-5733-7033
飯島金物店跡地を考える会事務局(片岡):goemon11123@gmail.com -
news-032
人と街の未来を守るために─次にやるべきことは?
川崎市まちづくり局計画部発行「まちづくりハンドブック」より引用
11月25日、まちづくり調整課に行ってきました。正確には、まちづくり局計画部/景観・地区まちづくり支援課担当(?う〜ん長い…)の方々との会合でした。
これはいま進んでいるマンション計画とは別の話として、今後、同じようなマンション開発を事前に阻止するために、私たち住民にどのような事ができるのか、またはできないのか、ということを行政側の立場から具体的に説明していただくという主旨で場を設けていただきました。
結論としては、表に示したような4つの「まちのルール(条例等)」を住民主導で定めることができ、その策定に市がアドバイスやサポートをしてくれるというものでした。どのようなまちづくりを目指し、どのようなルールにするのかを地域住民で話し合って立案、一定の同意形成(5,000㎡圏内2/3の同意)がなされることが前提になります。
これまで大山街道には、町会で定めた「自主協定」と市の定めた「都市景観形成地区」というふたつのルールがありましたが、前者は法的拘束力のない紳士協定のようなもので、後者は実効力(法的拘束力)はあっても定める内容が限定的で、高層マンション建設などを規制するための項目は含まれていませんでした。
野村不動産はこうした条例・協定を熟知していて、その網の目をかいくぐって今回のような計画を打ち出してくるのです。住民説明会でもこの「大山街道 街なみ作法集」を持ちだして、これに準じているからいいのだとか、高層マンションは否定されていないだとか、むしろ新規建替で街なみを整えるのは良いことだ、などと強弁していました。それは明らかに手前勝手な拡大解釈であり、正しい見解とは言えないものの、まるっきりの嘘八百とも言い切れないのです。
このような狡猾な相手に対抗していくには、こちらもできる限り法令規制を理解し、その抜け穴をひとつひとつ埋めていく作業をしていくしかないというわけです。けれどもこのルールづくりも決して簡単なことではなく、たくさんの越えるべきハードルがあって、時間も労力もかかる膨大な作業です。相手がプロの集団で組織的に金儲けのためにやっているのと比べれば、こちらは全くの素人で全くの無報酬、プライベートの時間を割いて奮闘したところでいったいどれだけ実効性のあるものができるのか、考えただけでも気の遠くなるような話です。しかも、たとえ大山街道で理想的なルールづくりができたとしても、それで門前仲町や松江城下のマンション建設が阻止できるわけでも、神宮外苑の樹木伐採が止まるわけでもないのです。
もしかしたら、今の強引な乱開発の流れを止めようという国民的な世論を盛り上げることに注力した方が、むしろ近道なのかもしれない。しかし、市の立場からすれば、ある一定の事業に対して「反対・抗議運動」を行なっているような団体とは協力関係は結べないというのです。「高層マンション建設反対」「樹木伐採反対」「乱開発反対」…。それがたとえ地域の未来を守るための正当な行動であっても、「反対運動」はそれ自体がネガティブに捉えられてしまう。行動のモチベーションが「乱開発を止める」という点で「まちのルールづくり」と同じだとしても、ふたつを同時に行うことは認められないのです。
いったいどう行動するのが現実的で最善の選択なのか…? 「まちのルールづくり」と「反対・抗議運動」、どちらも大切で必要なことであるのは間違いありませんが、やり方を誤ると全てが台無しになってしまうかもしれません。ここは慎重に考えて行動する必要がありそうです。 -
news-031
今週の現場。11月18日

今週は「外構工事(騒音・振動作業)」。騒音/振動計と側溝通路にライトが設置された
11月18日〜22日は「外構工事」。小さく「騒音・振動作業」とあります。大事なことなのでもうちょっと目立つように書いてほしいですね。
これは全面道路側溝のやり替え工事のようです。側溝通路奥にライトが設置されているのは、通行者の便宜のためではなく、この作業用のためだと思われます。午後6時頃に通ったときには灯りが点いていましたが、遅い時間になると消えてしまっていました。作業が終わって帰るときに消して帰るんでしょう。どうせなら夜中点けておいてほしいですね。
道路側の正面に騒音・振動計が設置されていました。時々車や人が通る程度の通常時で「振動35dB/騒音54dB」。これが工事中だとどのくらいになるんでしょうか。規定は、「振動75dB以下、騒音85dB以下」です。作業中うるさいなと思ったら騒音・振動計をチェックして、もしこの数値を超えていたら即、文句を言いましょう。
[連絡先]大末建設:工事担当・佐藤☎03-5634-9012(夜間・休日/警備会社☎03-5634-9105)
[事業全般]フォーエバーサンクス:担当・葛西☎03-5733-7033